2008年12月15日

第50話 偽善者共め

さぁ宴会だ。

初めての大勝利とあって、

俺たちも特別に末席に座らせてもらう。

鄒靖は得意げに甥の俺を差し置いて上座に居座っている。

お前は何もしてないのに指揮官としての手柄だもんな。

そりゃ嬉しいだろうよ。

俺達のおかげで勝てたんだぞ。

しかも「踏み台の甥の俺」が大将の程遠志を殺したんだ。

少しは遠慮しろ田舎もん。

まぁこれで俺の出世も間違いないだろう。

俺としては宴会もいいが、

早いところ論功行賞をしてもらいたい。

田舎もんの役立たずぶりが露見するだろう。

あの士気の低さは酷いってもんじゃあない。

鄒靖はめでたく更迭だな。

張飛は久々の酒の席とあって早々に酔っ払っている。

副将のケ茂を切り殺した武勇伝を誇らしげに語っているが、

誰も聞いちゃいない。

関羽に至っては、大将の程遠志を打ち取った事を讃えられても

遠慮がちに謙遜しておる。

そりゃそうだろう。

お前は偽造した手柄だからな。

遠慮するあたり少しは申し訳ないと思ってるのか?

いや違う。

謙遜することによって自分の徳を見せつけているのだ。

豚の自慢話は皆辟易しているが、ヒゲには人だかりができている。

どこまで狡猾なやつなんだ。

俺にとってはイライラする宴会だったが、

そろそろ終わりに近づき、いよいよ論功行賞だろう。

みんな酔っぱらってるのに大丈夫か?と不安でいると

広間の門が勢いよく開いた。

矢が刺さったままの血まみれの兵士が入り込んできた。

なんとも無礼な奴め。

この劉備様の出世発表の場に水を差すな。

え?青州の官軍が黄巾賊によって壊滅寸前だと?

ぬけぬけと援軍を出せと懇願しておる。

おいおい。

手前の始末は最後までやり抜けよ。

こちとら凱旋したばっかで疲れてんだよ。

せめて俺への褒賞の後に決断してくれ。

もちろん断るよな踏み台さんよぉ。

案の定へたれの劉焉は渋っている。

よしよしその調子だ。

あ〜ここで来たよ田舎もんが。

鄒靖がガタンと立ち上がり息巻いている。

同士が苦しめられてるのに何で黙っていられよう、と。

あ〜あ。

一応は鄒靖の配下である俺も出陣の流れじゃねぇかよ。

ヒゲ豚コンビはまーた喜んでいるし。

踏み台も部下の前で啖呵切られたら承諾するしかない。

早速軍をまとめて明朝出陣の命令が下る。

お、俺の恩賞は?

くっそー次の戦でヘマしたら水の泡になってしまう。

恩賞があるからにげられもしないし、

絶対勝たなきゃいけなくなってきた。

なんでみんなこんなに熱血漢なんだよ。

余計なことしてくれるなよ


この偽善者が!



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posted by うさんく斎 at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第二章 黄巾賊討伐編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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