2009年01月14日

第73話 急展開すぎる

モヤシの公孫讃はモヤシのままだった。

少し安心した。

盧植のジジィから逃げ出した俺と

無事卒業したモヤシ。

パッとみた感じでは頼りなさそうな風貌だ。

持って生まれた物だから仕方ないな。

まぁ今は命の恩人だし敬おうかのう。

さてモヤシは今一体何をしているのだ?

ほほう北平の太守とな。

見かけによらず立派になったじゃあないか。

俺?

俺の事はあまり深く聞かない方がよい。

今は雌伏の時なんだと説明をする。

誰の助けもいらぬわ。

と言いかけたところで

図々しい奴が横やりを入れた。

旗揚げからここまで落ちぶれた顛末を

ペラペラと少し脚色しながら喋り倒す。

よくもまぁそんなに思いつくなぁ。

図々しい奴の話を鵜呑みにしたモヤシは、

憐みの目で見ながらこの俺をどっかの役人に

推挙してやると約束してくれた。

何か気に食わない態度だったが

ここは甘んじるしかない。

早速朝廷に使者を出してくれて

沙汰有るまでここで世話になることになった。

さすがの俺も今回ばかりは危うかったが、

やはり俺には天が味方についておるらしい。

なかなかこれは他の者には真似できないだろう。

数日間待ってやっと返事が来た。

なんと平原の県令という役職を与えられたぜ。

ん?

確か今の皇帝は霊帝だったよな。

ところが詔書には献帝って印が押してある。

崩御したのか?

こんな北の田舎には情報が早く伝わってこない。

モヤシもびっくりしていた。

図々しい奴が使者にしつこく聞くと、

どうも霊帝は崩御した前後に朝廷内で

ゴダゴダがあったらしい。

霊帝の後継ぎ指名争いが激しかったとな。

弁皇子を擁する何進将軍と

協皇子を推す十常侍との争いで

一旦は何進将軍が勝って弁皇子を少帝としたのだが

結局十常侍の策略に嵌り殺害されたのだと。

しかしその十常侍も張譲を筆頭に曹操らの官軍に

一族皆殺しにされてしまったらしい。

こりゃあ大変だ。

なにが大変か自分でもよく分からんが

一大事である事には間違いない。

あぁ、だから俺は犯罪人にも関わらず

役職を得られたのか。

こりゃごだごだの中心者に感謝だな。

それはそうと曹操は大手柄だな。

今頃いい暮らししてるんだろうかのう。

え?違う?

今は董卓が少帝を廃してその異母弟の陳留王を献帝とし、

絶大な権力を持って好き勝手してるんだと。

気に入らない奴はすぐさま処刑という圧政ぶりで

皆恐れおののいて何も言えないらしい。

あのぶつぶつ将軍か。

すごいなあいつ。

さすが俺がこっそりと尊敬するお方だ。

これは平原の県令を無事全うしなければならないな。


董卓さま見ててくだされい

posted by うさんく斎 at 00:31 | Comment(51) | TrackBack(0) | 第三章 反董卓連合編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年01月10日

第72話 這い上がる

いかにも山賊ですって集団に取り囲まれた。

多分黄巾賊の残党であろう。

命が惜しけりゃ金目の物と食糧を置いてきな

と、決まり文句をほざいてきやがった。

それはこっちの台詞じゃわい。

俺達もここ数日満足に食い物にありつけてない。

飢えと寒さで苛々してる時に来るなよ。

俺達の姿なりを見れば分かるだろ馬鹿ども。

話し合いで解決できればよいのだが、

こっちは単細胞揃いだ。

気がつけばヒゲと豚が散々に打ちのめしていた。

運が悪かったな山賊ども。

もっと相手みて行動しなされ。

山賊達の死体を物色する俺達。

堕ちるところまで落ちたな。。。

今は生きるために必死だ。

なんだこいつら何にも持ってないじゃないか。

まぁ持ってたら襲わないわな。

そうして俺達はこのまま野営することにした。

すっかり夜も更けまどろんでいると、

複数の蹄の音が近づいてくるのがわかった。

また山賊か?

急いで仲間を呼び起こした。

何者だっ?

と声をかけられる。

まずお前たちが名乗れと思ったが、

相手は大勢だし、俺達は追われてる身だ。

事を荒立ててはならんので

適当に旅の者と伝えた。

そうするとそいつらは周りの山賊の死体を見て、

お前たちが成敗してくれたのか?

そいつらは黄巾賊の指名手配人だ。

褒美を取らすのでこれから主君の元へ

連れて行ってやろう。

とこっちが呆然としてる間に決められてしまった。

おおおなんという展開だ。

やはり良い事をすると返ってくるんだな。

さぁどこへでも連れてってくれ。

お前たちの主君とやらは誰なのだ?

何?公孫讃だと?

若かりし頃、廬植のじじぃの下で

一緒に学んでいたモヤシの公孫讃か?

そういやあいつはいいところの坊ちゃんだったな。

こいつぁ都合が良い。

これを利用しない手はないな。


待ってろよモヤシ。


posted by うさんく斎 at 00:52 | Comment(1) | TrackBack(0) | 第三章 反董卓連合編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年01月09日

第71話 根無し草

不思議と心は落ち着いていた。

役人殺しは大罪なのにもかかわらずだ。

殺される運命だったんだよな督郵は。

自分の屋敷に戻るとヒゲ豚図々しい奴が駆け寄ってきた。

三人は俺の様子をみて察したらしい。

最初は驚き戸惑っていたが

督郵を殺したと確認すると拍手喝采してくれた。

豚はさすが長兄と誉めたたえ、

図々しい奴はこんな度胸があったのかと驚かれ、

あのヒゲは目こそ合わさないが

偉そうに頷いておる。

まぁ責められるよりかは気持ちいいいが、

俺達は犯罪者になってしまったのだからな。

ゆっくりもしてられん。

督郵が戻って来ないともなれば

朝廷は追手を差し向けてくるだろう。

短い間だったが官職なんざクソくらえだ。

こんな田舎の下っ端役人だから

上にへこへこしなきゃならねーしな。

最低でも太守ぐらいにはならないといかんな。

ともかく一刻も早くここを出なければならん。

さぁどこへ行こうかのう。。。

都に近いところは駄目だからな、

故郷に向けてとりあえず出発しよう。

むろん故郷にも追っ手が来るかもしれんのう。

気をつけなければ…

こうして俺達は慌ただしく準備を終え、

安喜県から脱出した。

関所があれば迂回して回避し、

官軍ぽいのがいれば反転して逃げる。

また行軍しっぱなしの旅か…

とんだ根なし草だな俺達は。

寒くなってきたしそろそろ飽きてきた。

どうせ追われるのなら、

安喜県からもっと略奪すりゃよかったわい。

しかし故郷に無事に帰ったところで

母ちゃんはどんな顔するだろうか。

初陣からろくに連絡もしなかったし、

役人になってからも仕送りなんざ一回もしていない。

顔わせにくいのう。

故郷に帰るのはもっと出世してからだな。

そうしようそうしよう。

とりあえずどこでもいいから早く


寄生させてくれ


posted by うさんく斎 at 00:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第三章 反董卓連合編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年01月08日

第70話 やっちゃった

すいませんすいませんすいません。

俺は故郷以来の特技である土下座作戦に出た。

こういう時は下手な言い訳はぜず

へりくだって謝り倒すのが一番だ。

しかし督郵は一筋縄ではいかなかった。

督郵であるこの私をこんな目に合わせるなんて

ただではおかないからな。

と捨て台詞を吐き、

ふらつきながら屋敷へ帰って行った。

こいつぁまずい。

張本人である豚の首でも差し出さないと

許してもらえそうにない雰囲気だ。

そりゃそうだな。

賄賂貰えると思いきや

早朝から豚に引きずりまわされてんだもんな。

これで怒らない奴はいない。

とりあえず督郵の治療が終わったら、

賄賂を持って様子を見に行こう。

まだ何とかなるかもしれんからな。

と言うか督郵って人の名前じゃ無かったんだな。

官職の名前だったらしい。

まぁ今となってはどうでもいいが…

ついにやらかしてくれたな張飛よ。

今までも危うい時は多々あったが、

今回ばかりはどうにもならん。

何故あんな馬鹿な真似をしたのだ?

何々、関羽の兄貴にそそのかされてだと?

ほほう。

そういや昨晩お前達は二人で飲んでたんだんだな。

ヒゲがそそのかしたのも許せないが、

そのすぐ感情的になるのはお前の悪いクセだ。

今すぐにでも叩き斬ってやりたいが

それをしたところで何の得にもならない。

ヒゲにも問いただすと、

男として当たり前のことをやったまでだとのたまう。

そりゃ正しい事なんかもしれんけどな、

物事には順序ってもんがあってだな…

と説教してやろうかと思った矢先

督郵からお呼びが掛った。

もう治療が終わったのかと屋敷に向かう。

そこで俺は散々に督郵に罵倒され尽くす。

今回の件は上奏か十常侍に報告するからなと脅され、

もし許してほしいなら慰謝料を渡せと。

もちろん最初から賄賂を出す予定だったから

そっとお金を渡すと中身を見た督郵は笑い出す。

こんなちっぽけな額では話にならん、

もっとたくさんよこせ、

そして美女と宝石を後日屋敷に届け・・・

この時俺は自分でも何をしたのか分からなかった。

気づいたら目の前に督郵の無残な死体がある。

伝家の宝刀の雌雄一対の剣には血がついていた。

とぼとぼと屋敷を出る。

しばらくして屋敷から女中の悲鳴が聞こえた。

関羽も昔役人を殺した。

張飛は督郵を殴り倒した。

そしてこの俺はその督郵を殺した。

自分で言うのもなんだが、

黄巾賊討伐で活躍した義軍の将は


犯罪者集団だな。

posted by うさんく斎 at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第三章 反董卓連合編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年01月07日

第69話 すべて台無し

ヒゲと豚は俺が督郵に賄賂を贈るのが

なんとも気に入らないらしい。

二人とも説明を受けると憮然とした態度で

さっさと村の居酒屋に繰り出してしまった。

まぁ単細胞のお前たちには

この俺の思慮深い行動は理解できないかもな。

そりゃあ俺だってこんなことはしたくない。

もったいないもの。

だが出世の為の投資と思えば何とも思わない。

これが今の世の流れだからな。

そこんとこは図々しい奴もわかっておる。

嬉々とした態度でいくら包もうかと俺に聞いてくる。

たくさん出したいが所詮田舎の下っ端役人だ。

これで満足するかどうか分からないが、

おいおい追加していけばよいだろう。

細く長く焦らずいこう。

最初に高額を贈れば今後足元を見られかねないからな。

こうして準備を整え床についた。

・・・・・

何だか外が騒がしい。

いつもは雀たちの鳴き声で目覚めるんだが、

今日はちと様子が違う。

寝ぼけながらもよくよく耳を澄ますと

豚がなんだか喚いている。

なんだ?

事件だとしたらこの俺が解決せねばならん。

しかし今までこんな騒ぎになったことがないので

恐る恐る窓の隙間から覗いてみる。

おお、すごい人だかりだ。

その中心にいるのが豚と・・・・



と、督郵じゃないか。

しかも木に縛り付けられて豚に木の枝で殴られている。

おいおいおいおいおい。

何してんだよこの豚野郎。

あわてて外に出て豚を止める。

簡雍は諦め顔でヒゲに捕まっている。

一体何事だと近くの村民に聞くと、

早朝まだ酔いが残ってる豚とヒゲが

督郵を屋敷から引きずり出して

口論になって今に至ったらしい。

督郵は俺に助けてくれとせがむ。

豚を遠くにやりとりあえず縄を解く。

督郵の側近達は無残な姿で捨て置かれてる。

今度は俺が怒られる番だ。


これで何もかも台無しだ…





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posted by うさんく斎 at 00:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 第三章 反董卓連合編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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