なにやら母ちゃんと話している。
必至に女を口説いてるようにも見えるな。
ほんとに劉勝の末裔かどうか聞いているらしい。
お前やっぱり信じてなかったんだな。
俺にちゃんと確かめる前に母ちゃんに聞くなんて失礼なやつだ。
そういう性格は嫌われるぞ傲慢ヒゲめ。
母ちゃんは話を理解したらしく、
奥に引っ込んで古ぼけた木箱を持ち出してきた。
まさかと思うが食いもんじゃねーよな。
母ちゃんが取り出した箱の中身は、
なんとも美しい宝石が散りばめられた一対の宝剣だった。
これは我が家に代々伝わる秘宝、雌雄一対の剣。
志持つ者が一族に現れたら、
この剣を持たせて天下の為に戦う掟。
と母ちゃんが誇らしげに言う。
ほんとにマジ顔でのたまった。
やめてくれ母ちゃん…
いや仮にそれが本当の話だとしても、
俺に一言いわせてくれ。
これ売れば草鞋編みに精進しなくても
よかったんじゃねーか?
そうすればもう少しいい生活が出来てたと思うし、
売った金を役人に掴ませれば、
俺もいい職に付けたかもしれん。
母ちゃん、袖の下ぐらいしてかないとなこの世の中。
あーなんか23年間損した感じだわ。
三国志 裏劉備伝 トップへ戻る