近くで見るとなおさら荘厳な作りだと分かる。
何より田舎者の俺たちを威圧するような門と兵士。
くそ。
ここで飲まれてはいけない。
威風堂々と接しなければ文字通り門前払いだ。
威圧的な門番は明らかに俺たちを不審者扱いしている。
そりゃそうだ。
みすぼらしい田舎者の集団がだらだらと行進してんだもんな。
仲間を呼び集めるのも分かる。
いい仕事ぶりだ。
だが門の上から下から矢を向けるのはどうかと思うぞ。
そういう態度をすぐ取るから民心が離れるんじゃないのか?
しかしこのままだと犬死だ。
志半ばで横死ってもんじゃねーぞ。
何とか丸く収めようと思案していると、
あの図々しい簡雍がしゃしゃり出てきた。
嫌な予感がしたが時すでに遅し。
門番に向かって
せっかくの義勇軍に対して何たる無礼!
このまま矢を向けるなら一戦したろうじゃないか!
と高圧的な態度で臨みやがった。
この言葉を聞いた張飛はやる気満々。
おい豚止めろ。
ヒゲは後ろで寝転びながらこの状況を楽しんでるし。
お前達は一体何なんだよ。
あきらかに俺たちが悪いじゃないか。
責任者は俺だし…
相手の兵士も殺気立ってるし、このままでは殺されてしまうので
とっさに俺は図々しい奴の首根っこを掴んで門番に差し出した。
すべてこいつが悪いのです。
煮るなり焼くなり好きにすればいいから
俺の話を聞いてくれ。と。
すまんな簡雍。
大義のためだ。死んでくれ。
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