知らずにニヤニヤしてたらしい。
そんな俺を見て、豚が興味深そうに寄ってきやがった。
劉備の兄貴も戦が楽しみなんで?
と、いやらしい目つきでほざきやがった。
お前みたいな悪趣味は知らん。
誰が好き好んで人殺しするかよ。
出世の為に仕方なく参戦してんだよ豚。
勘違いするのは勝手だが、
豚は事もあろうに兵士を鼓舞するためなのか
俺のこの態度を言いふらしやがった。
余計なことするなこの豚野郎。
逃げ出せにくくなったじゃねーか。
鄒靖もこれを聞いて大いに喜んでいる。
それならばと一番先頭に立たせられてしまった。
まずいな。
これはやばいことになってしまった。
俺が一番先に死んでしまうじゃねーか。
ほんと単細胞の豚は余計なことしやがる。
鄒靖もヒゲも俺が焦ってると思ってニヤニヤしてやがる。
こうなりゃ豚の後ろにでもついてやり過ごすしかないな。
しかし単細胞だから間違って俺も切られてしまうかもしれん。
引きたいが面子もあるし、いよいよ進退極まったな。
このまま正面衝突したら間違いなく死ぬ。
しかし運良くこちらの斥候が先に黄巾賊の本隊を見つけた。
敵軍は大軍勢の余裕なのかゆっくりだらだらと
全軍固まって真っ直ぐ進んでるらしい。
これはチャンスだ。
俺達義兵は少数。
正面から向かっても玉砕するだけだ。
だから戦闘開始したらドサクサに紛れてサヨナラだ。
相手は油断してるだろうし、固まってるならすぐさま動けまい。
そしてこのまま先公の所へ行こう。
そこで手柄を立てれば今回の不義は免除だろう。
自分の命が一番大事だからな。
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