こちらに気づいた黄巾賊が一斉に突っ込んできた。
しかも伏兵がいる怪しげな森には目もくれず
真っ直ぐ俺達のいる陣にまっしぐらだ。
もう少し警戒しろよ。
相手の大将は誰なんだ全く。
敵ながら心配だわ。
所詮単細胞の烏合の衆だな。
敵の突撃を見て田舎もんは弓矢で応戦しようとする。
放てー!
…
鄒靖の掛け声だけが虚しく響く。
誰も呼応しようとしない。
弓矢も数えるほどしか飛んで行かない。
どういうことだ?
官軍の士気が全く上がっていないのだ。
これが今まで負け続けていた原因か。
チラホラと脱走兵まで出てる始末だ。
鄒靖一人だけ頑張ってもこれじゃあなぁ。
しかし鄒靖に同情している暇は無い。
このまま突っ込んでくるのを待ってる場合でもない。
豚に敵の裏を取るぞと命じて
義兵達を引き連れて、敵の右側をすり抜ける。
後ろで鄒靖がなんか喚いているのを部下が報告してくれたが、
そんなん無視無視。
お前の統率力の無さを恨むがよい。
俺達の行動をみて、森の伏兵たちが何を勘違いしたのか
のこのこ出てきやがる。
挟み撃ちにするには早すぎる。
馬鹿じゃねーの?
勝手に行動するなんて軍法会議もんだぞ。
案の定、黄巾賊にばれてしまっている。
お前たちの事は忘れないぞ。
合掌。
おかげで敵の大半は鄒靖軍や伏兵達に釘付けだ。
我ら義兵達の存在に気づいた少数の敵は豚が蹴散らしてくれている。
ようしこのまま安全な所まで駆け抜けるぞ。
今のところ義兵達も何とかついて来ている。
ところでお前たち義兵は持ち場を離れて何の疑問も持たないのか?
敵前逃亡してんだぞ?
少しは恥を知れ
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