まだ疑惑段階だが、もし黒だったら…
いかんいかん。
ヒゲはともかく母ちゃんがそんなことするはずない。
何かの間違いだったんだろう。
何より今は目の前の敵をどう始末するかで精いっぱいだ。
絶対こんなところで死ぬわけにはいかん。
豚は一人で突っ込んでしまってるし、
馬から降りて武器を拾う暇もない。
降りたとたんあっという間にやられてしまう。
よしこうなりゃ図々しい奴の武器を頂戴しよう。
あいつに武器を持たせても何の意味も無いからな。
簡雍、簡雍はどこにいる?
あれ?いない。
どこいったんだ?
まさかヒゲ同様逃げたのか?
踏み台に会う前はいたはずなんだが。
そういえば出陣の時もいなかったような…
まぁいいか。
見つけたら懲らしめてやる。
しかしこのまま武器がないのはまずい状況だ。
口惜しいが戦線から少し離れよう。
暗闇の中、敵味方入り乱れてる今なら
敵、味方双方にバレる事はないだろう。
というか何で大将である俺が単身突っ込んでいるんだ?
突っ込むにしてもだれか護衛がつくだろう。
俺が死んだら元も子もないぞ。
これは今後の為に軍律を厳しくせねばな。
なんにせよ離脱するには絶好の暗闇だ。
上手くいけば張飛が敵を壊滅してくれるかもしれんしな。
もう少し離れた場所で高みの見物だ。
とその時どーんと衝撃が走り馬ごと大転倒。
何が起きたか分からなかったが馬が何かに躓いたのか。
痛い。
全身を打って血まみれだ。
初陣で落馬なんて縁起が悪い。
やはり軍師は名馬じゃないと駄目だな。
俺の心のような真っ白な馬でも後日探そうかのう。
なんにせよこの俺を振り落とした馬は許せない。
切り刻んで俺の血肉の一部にしてやろうか?
この駄馬めがー!
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