一体いつになったら俺達義軍に
嬉しい沙汰があるのだろう。
もう一週間になるぞ。
その間に皇甫嵩は左車騎将軍、
朱儁は右車騎将軍に昇進したらしい。
弱虎の孫堅に至っては別部司馬という
たいそう立派な官を得りやがった。
しかも黄巾賊の残党の辺章と韓遂とやらが
ぶつぶつ董卓おひざ元の涼州で反乱を起こしたため、
ぶつぶつの援軍として皇甫嵩と共に行っちまった。
俺達は無駄に時を過ごしている。
かといって宮中に押し入ることなんぞ出来ない。
一体どうすればよいのだ?
恩賞があるないに関わらず教えてくれよ。
無いなら無いでこっちもやりようがあるからさぁ。
城の中から何人かお偉いさんが出て来るので、
あのぉ、
と声を掛けても蔑んだ目で見下され無視ときたもんだ。
いよいよどうにもならなくなってきた。
とそこへいかにもいかにも清廉潔白そうな
じいさんが歩み寄ってきた。
このじいさんは後漢の郎中、張鈞と名乗る。
城の周りで怪しげにたむろしている俺達を
不審に思って声を掛けてきたのだと。
事の顛末を説明すると張鈞は怒り心頭で、
なんとかしてやると約束してくれた。
まぁちょっと色付けて過大報告したけどな。
それが功を奏してどうやら恩賞に預かれるかもしれん。
もう数日待てと言われた俺達は、
心躍らせながらヒゲ豚と共に前祝いを上げる。
やっと現実味が帯びてきたわい。
二日後、約束どおり張鈞が俺達の元へやってくる。
なんと俺は中山府安喜県の県尉になる事が決まったらしい。
県尉と聞いてもピンと来なかったが、
どうやら県の治安を守る仕事らしい。
どうせなら太守にさせてもらいたかったが、
せっかくの出世だ。
大人しく頂いておこう。
だが何故俺達が恩賞を貰えなかったのかを
聞いた俺は愕然とした。
すべて孫堅が仕組んだことだったらしい。
な、なんだと。
俺が弱虎になんかしたか?
心当たりがない。
もう少し詳しく張鈞に聞いてみることにした。
なんにせよ俺には敵が多いのう。
そんなに僻むな弱虎孫堅!
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三国志は、漫画で見た程度の知識ですが、大好きな日本の歴史とは切っても切れない中国の歴史・・・これからも、このブログで、少しは勉強させていただきます〜
よいお年をお迎えくださいませ