なんとも気に入らないらしい。
二人とも説明を受けると憮然とした態度で
さっさと村の居酒屋に繰り出してしまった。
まぁ単細胞のお前たちには
この俺の思慮深い行動は理解できないかもな。
そりゃあ俺だってこんなことはしたくない。
もったいないもの。
だが出世の為の投資と思えば何とも思わない。
これが今の世の流れだからな。
そこんとこは図々しい奴もわかっておる。
嬉々とした態度でいくら包もうかと俺に聞いてくる。
たくさん出したいが所詮田舎の下っ端役人だ。
これで満足するかどうか分からないが、
おいおい追加していけばよいだろう。
細く長く焦らずいこう。
最初に高額を贈れば今後足元を見られかねないからな。
こうして準備を整え床についた。
・・・・・
何だか外が騒がしい。
いつもは雀たちの鳴き声で目覚めるんだが、
今日はちと様子が違う。
寝ぼけながらもよくよく耳を澄ますと
豚がなんだか喚いている。
なんだ?
事件だとしたらこの俺が解決せねばならん。
しかし今までこんな騒ぎになったことがないので
恐る恐る窓の隙間から覗いてみる。
おお、すごい人だかりだ。
その中心にいるのが豚と・・・・
!
と、督郵じゃないか。
しかも木に縛り付けられて豚に木の枝で殴られている。
おいおいおいおいおい。
何してんだよこの豚野郎。
あわてて外に出て豚を止める。
簡雍は諦め顔でヒゲに捕まっている。
一体何事だと近くの村民に聞くと、
早朝まだ酔いが残ってる豚とヒゲが
督郵を屋敷から引きずり出して
口論になって今に至ったらしい。
督郵は俺に助けてくれとせがむ。
豚を遠くにやりとりあえず縄を解く。
督郵の側近達は無残な姿で捨て置かれてる。
今度は俺が怒られる番だ。
これで何もかも台無しだ…
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