不思議と心は落ち着いていた。
役人殺しは大罪なのにもかかわらずだ。
殺される運命だったんだよな督郵は。
自分の屋敷に戻るとヒゲ豚図々しい奴が駆け寄ってきた。
三人は俺の様子をみて察したらしい。
最初は驚き戸惑っていたが
督郵を殺したと確認すると拍手喝采してくれた。
豚はさすが長兄と誉めたたえ、
図々しい奴はこんな度胸があったのかと驚かれ、
あのヒゲは目こそ合わさないが
偉そうに頷いておる。
まぁ責められるよりかは気持ちいいいが、
俺達は犯罪者になってしまったのだからな。
ゆっくりもしてられん。
督郵が戻って来ないともなれば
朝廷は追手を差し向けてくるだろう。
短い間だったが官職なんざクソくらえだ。
こんな田舎の下っ端役人だから
上にへこへこしなきゃならねーしな。
最低でも太守ぐらいにはならないといかんな。
ともかく一刻も早くここを出なければならん。
さぁどこへ行こうかのう。。。
都に近いところは駄目だからな、
故郷に向けてとりあえず出発しよう。
むろん故郷にも追っ手が来るかもしれんのう。
気をつけなければ…
こうして俺達は慌ただしく準備を終え、
安喜県から脱出した。
関所があれば迂回して回避し、
官軍ぽいのがいれば反転して逃げる。
また行軍しっぱなしの旅か…
とんだ根なし草だな俺達は。
寒くなってきたしそろそろ飽きてきた。
どうせ追われるのなら、
安喜県からもっと略奪すりゃよかったわい。
しかし故郷に無事に帰ったところで
母ちゃんはどんな顔するだろうか。
初陣からろくに連絡もしなかったし、
役人になってからも仕送りなんざ一回もしていない。
顔わせにくいのう。
故郷に帰るのはもっと出世してからだな。
そうしようそうしよう。
とりあえずどこでもいいから早く
寄生させてくれ
2009年01月09日
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